AWS Transcribeの料金が想定より高額になった件

2025年10月28日

コンソール上でのジョブ数や処理時間と、請求画面の使用量が一致しない

Cost Explorerで確認したTranscribeの請求額は 約 $200(10,000 分相当) でした。※ 料金0.0300USD/分

一方、Transcribeコンソールのジョブ一覧では合計が 約 300 分程度 しか確認できず、明らかに差が生じています。

この不一致がどこから生まれているのか?

https://aws.amazon.com/jp/transcribe/pricing

調査の方向性

  • Cost Explorer と Transcribe ジョブ一覧の不一致の調査
  • S3 から CloudTrail で追跡できるように設定
  • S3 の格納ファイル名から音声ファイルを特定できるようにする
  • 以前作成した CloudTrail のログも活用して調査する

ジョブの重複実行が原因か

StartTranscriptionJobCommand のみ。
そのため、今回の大きな差はジョブの重複実行、もしくは何らかの再試行による多重処理が要因と考えられます。

Transcribe コンソール上ではジョブ名が重複すると過去分が上書き表示されるため、
実際に発行された回数はコンソールだけでは把握できず、CloudTrail ログによる裏付けが必要です。


今後の対応

Lambdaで自動停止

AWSではリアルタイムでの自動停止(課金キャップ)は基本的にできません。

Budgetsやアラートで検知は可能ですが、反映には数時間の遅延があります。

完全に即時停止させたい場合は、自作でLambda+SNS+監視スクリプトを常時実行する仕組みを作る必要があります。

CloudWatch(クラウドウォッチ)

  • サービスの種類:監視サービス
  • できること:
    • EC2やLambdaなどのリソースの状態やメトリクス(CPU使用率・メモリなど)を監視
    • ログを収集・可視化(例:アプリやサーバーのログ)
    • 異常があれば**アラート通知(アラーム)**を出せる

CloudTrail(クラウドトレイル)

  • サービスの種類:操作履歴の記録サービス
  • できること:
    • AWS上で「誰が・いつ・何をしたか」というAPI操作ログを自動記録
    • セキュリティ監査や不正アクセスの追跡に利用

簡単に言うと

  • CloudWatch=動きを監視
  • CloudTrail=操作を記録

証跡

CloudTrailの証跡作成画面

  • 証跡名
  • ログの保存先ストレージを指定
  • ログファイルの SSE-KMS 暗号化
  • 有効カスタマー管理の AWS KMS キー
  • 新規既存AWS KMS エイリアス
  • その他の設定
    • ログファイルの検証
    • 有効SNS 通知の配信

ログイベントの選択

  • 管理イベント
    AWS リソースで実行された管理オペレーションをキャプチャします。
  • データイベント
    リソース上またはリソース内で実行されたリソース操作をログに記録します。
  • Insights イベント
    アカウントの異常なアクティビティ、エラー、またはユーザーの動作を特定します。
  • ネットワークアクティビティイベント
    ネットワークアクティビティイベントは、仮想プライベートクラウドエンドポイント内のリソースに対して実行されるリソースオペレーションに関する情報を提供します。

AWS Budgets

AWS Budgetsで何ができるか?

予算の設定でき、予算に対してしきい値を設定してアラートを上げることができます

Budegetsの予算設定方法

「予算」→「予算の作成」をクリック

今回は「カスタマイズ」を選択し、AWS推奨の「コスト予算」を選択

予算名、期間、金額などの内容を設定

アラートの設定